吹割の滝伽羅苑の店内には翡翠の大亀「亀太郎」を祀る亀太郎神社があります。竜宮伝説とともに度々テレビなどにも紹介されているスポットで、長寿や縁起の良さ、可愛らしい顔立ちも人気です。亀太郎の甲羅の上にはかわいい子亀たちもいます。
伽羅苑に来たら、なでてあげてくださいね。
小学校の読み聞かせや、絵本などでも紹介されている吹割の滝の昔話「吹割竜宮伝説」です。このお話の詳細は、伽羅苑の亀太郎神社にも書かれています。
むかしむかし、吹割の滝の「滝つぼ」は、竜宮城へとつながっているとされてきました。この年、天候不良で不作が続き、吹割の農村は貧しく、ある若者が滝のそばで嘆いていたときのことです。
「新しい年がくるというのに、客人に出すお膳さえない。はてどうしたものだろうか。」
それを偶然聞いていた竜宮の使い「亀太郎」は、竜宮城の乙姫様にこのことを話しました。乙姫様はかわいそうに思い、竜宮城のお膳をいくつか若者のもとへ持って行くようおっしゃいました。
嘆いていた若者の前には、大きな甲羅の亀と、それはそれは見事なお膳が現れました。若者はたいそう喜び、必ず返しにくる約束をしてお膳を借りてゆきました。
客人から見事なお膳を褒めたたえられた若者は、いざお膳を返すとなると惜しくなりました。
「一つくらいもらってもわからないだろう」と一膳だけ返しませんでした。
しかし乙姫様は、その裏切りにお怒りになり、竜宮へ通じる吹割の滝の滝壺をふさいでしまわれました。竜宮の使いであった「亀太郎」は、悲しみのあまり大粒の涙を流し、やがてその涙は翡翠となって、現在は吹割の滝伽羅苑の亀太郎神社に祀られています。